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デジタル印刷に変更する必要性とは?業界のトレンドと市場規模を解説!

紙媒体からデジタル化が進む現代において、印刷業界にも大きな変化が訪れています。中でも注目を集めているのが「デジタル印刷」です。従来のオフセット印刷と比較し、小ロット、短納期、そして高度なカスタマイズに対応できるデジタル印刷は、多様化する顧客ニーズに応えるための新たなソリューションとして注目されています。
しかし、なぜ多くの企業がデジタル印刷への移行を検討しているのでしょうか?本コラムでは、デジタル印刷への移行が必要とされる背景、業界の最新トレンド、そして市場規模について詳しく解説していきます。

デジタル印刷とオフセット印刷の特徴

ここではデジタル印刷の特徴とともに、比較されやすいオフセット印刷の特徴についてもみていきましょう。

デジタル印刷の特徴

デジタル印刷とは、オフセット印刷のように版を作成する必要がなく、デジタルデータから直接印刷する技術です。多くのデジタル印刷機では、インクジェット方式を採用しており、インクをカートリッジ式で供給するものが多いことから、版の作成やインキの調合といった工程が不要になります。そのため、短納期での印刷が可能となり、小ロット印刷やデザインの変更にも柔軟に対応できます。また、個々の印刷物に異なる内容を印刷できる可変印刷も得意とするため、パーソナライズされた印刷物の作成に最適です。

オフセット印刷の特徴

オフセット印刷は、従来から多く利用されている一般的な商業印刷方式です。版を作成し、インキをゴム製のブランケットに転写してから紙に印刷する仕組みとなっています。CMYKで表現できない特色インキを使用できるため、ブランドカラーやコーポレートカラーを正確に再現することができます。また、大量の印刷物を高速で安定的に生産できるため、雑誌、書籍、カタログなど、大ロットの印刷物に適しています。デジタル印刷と比較して、高品質な印刷が可能ですが、版の作成やセットアップに時間がかかるため、小ロット印刷や短納期での印刷には向きません。

デジタル印刷のメリット

ここではデジタル印刷に変更することで得られるメリットについて理解していきましょう。

小ロットでもコストが抑えられる

デジタル印刷は、従来のオフセット印刷と比べて、小ロットでの印刷が非常に得意です。その理由は、版の作成が不要で、デジタルデータから直接印刷できるため、製版費用がかからないからです。また、必要な枚数だけ印刷できるオンデマンド印刷に対応しているため、余剰な印刷物を廃棄する必要がなく、コストを削減できます。さらに、短納期での印刷も可能なので、在庫を抱える必要もありません。これらの特徴が、小ロット印刷におけるコスト削減に大きく貢献しています。

印刷完了までのスピードが早い

デジタル印刷は、従来のオフセット印刷と比べて、印刷完了までのスピードが非常に速いのが特徴です。その理由は、版の作成工程が不要で、デジタルデータから直接印刷できるためです。オフセット印刷のように、版を作成したり、インキを調合したりといった準備作業が不要なため、印刷開始までの時間が大幅に短縮されます。また、デジタル印刷機は、小ロット印刷にも対応できるため、デザインの変更や追加も容易に行えます。これらの特徴から、納期が短い案件や、小ロットの印刷物が必要な場合に、デジタル印刷は非常に有効な手段と言えるでしょう。

可変印刷が可能

デジタル印刷は、一枚一枚異なる内容を印刷できる可変印刷が可能です。これは、デジタルデータから直接印刷を行うため、版の作成が不要なことが大きな理由です。オフセット印刷のように、一度版を作成してしまうと、その版で印刷された内容をすべて同じにする必要があります。しかし、デジタル印刷では、印刷するたびにデータを変更できるため、個人向けのDMや、商品ごとに異なる情報を記載したカタログなど、多様な印刷物に対応できます。また、データベースと連携することで、大量のデータを効率的に処理し、パーソナライズされた印刷物を短時間で作成することも可能です。

VOC排出量の削減につながる

デジタル印刷は、従来のオフセット印刷と比較して、VOC(揮発性有機化合物)の排出量を大幅に削減できます。その理由は、デジタル印刷では、液体のインキを直接用紙に噴霧する方式が一般的であり、オフセット印刷のようにインキを溶剤で希釈する必要がないためです。溶剤には、トルエンやキシレンといった有害なVOCが含まれており、印刷工程で空気中に放出されることで環境汚染の原因となります。一方、デジタル印刷では、VOCを含まない水性インクやUV硬化インクを使用することが多く、環境負荷を低減できます。また、小ロット印刷に強いため、廃棄される印刷物の量も減らすことができ、結果的にVOCの排出量を削減することにつながります。

デジタル印刷の市場規模と具体的な活用事例

拡大するデジタル印刷の市場規模

近年、デジタル印刷市場は拡大しています。矢野経済研究所の2022年発表の調査では、2021年度のデジタル印刷の国内市場規模は約3,214億円で前年度比3.8%、2022年は3,290億円と継続した成長が予測されています。また、Fortune Business Insights によると、世界のデジタル印刷市場規模は、2022 年に 357 億 7000 万米ドルと評価され、2023 年の 396 億 3000 万米ドルから 2030 年までに 872 億 1000 万米ドルに成長すると予測されており、予測期間 (2023 ~ 2030 年) 中に 11.9% の CAGR を示します。その背景には、いくつかの要因が考えられます。

  1. 小ロット・多品種化への対応
    デジタル印刷は、従来のオフセット印刷と比較して、小ロットでの印刷に強く、短納期での納品が可能です。多様化する顧客ニーズに対応するため、小ロット・多品種化が進んでいる現代において、デジタル印刷は非常に有効な手段となっています。
  2. パーソナライズ化のニーズの高まり
    デジタル印刷は、一枚一枚異なる内容を印刷できる可変印刷が可能です。個人向けのダイレクトメールや、商品ごとに異なる情報を記載したカタログなど、パーソナライズされた印刷物が求められる中、デジタル印刷の需要は高まっています。
  3. 環境への配慮
    デジタル印刷では、水性インクやUV硬化インクを使用するなど、環境負荷の低い印刷方式が採用されています。また、小ロット印刷により廃棄物を減らすことができるため、環境問題に関心の高い企業や消費者から支持を集めています。
  4. IT技術との連携
    デジタル印刷は、IT技術との連携が容易であり、データベースと連動して大量のデータを効率的に処理することができます。これにより、印刷物の作成効率が向上し、コスト削減にもつながっています。

このように、デジタル印刷は、小ロット・多品種化、パーソナライズ化、環境への配慮、IT技術との連携といった、現代の印刷業界が抱える課題に対して、有効なソリューションを提供しています。今後も、デジタル印刷市場はさらなる成長が期待されます。

参考・出典:
デジタル印刷市場に関する調査を実施(2022年)│株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2962
デジタル印刷市場規模、シェア、成長レポート [2030]│Fortune Business Insights
https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E5%8D%B0%E5%88%B7%E5%B8%82%E5%A0%B4-108677

デジタル印刷の活用事例①

ある食品メーカーでは、デジタル印刷により、同じ商品でも異なるデザインの個包装を短納期で作成しています。季節やイベントに合わせてデザインを変更したり、地域限定のデザインを作成したりすることで、消費者の購買意欲を刺激し、売上アップに繋げています。

デジタル印刷の活用事例②

多品種少量生産をしているペットフードメーカーでは、50種類ほどある製品の売行きや状況によって毎月の各製品ごとの製造量を調整しております。
従来の印刷手法で製品を納品する場合、通常、刷版の製造や、印刷時の調整を50回繰り返す必要があり、1日の印刷できる数量は1名の印刷オペレーターであれば1日5種~10種程度に限定されます。
しかし、デジタル印刷であれば、刷版が不要となり、システムに各50種類の印刷枚数を設定するだけで、自動で出力することが可能です。そのため、1日で容易にすべての印刷を完了できます。

拡大するデジタル印刷を活用して印刷物を効率的に制作しよう

デジタル印刷は、もはや印刷業界の常識となりつつあります。短納期、小ロット、そして高度なカスタマイズといった、多様なニーズに応えることが可能です。さらに、環境負荷の低減にも貢献し、サステナブルな社会の実現にも一役買っています。この革新的な技術をビジネスに導入し、より効率的で創造的な印刷物制作に挑戦してみてはいかがでしょうか。 にじいろシール工房では、最新のデジタル印刷機と豊富な経験を持つスタッフが、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提供いたします。ぜひ一度サンプルで仕上がりを確認してみてはいかがでしょうか。